愛媛県の赤石山には五葉松という松の原種が自生している。
山の崖や切り立った斜面に堂々と根を伸ばす姿は圧巻でとても力強い。
「原種」ということは,古からずっとこの場所で変わらない姿でいるということ。
現在,日本の盆栽はほとんどが原種ではなく,育てやすく改良されている。
そして「原種」の松がある場所は日本で5ヶ所のみになってしまっている。
赤石山の五葉松は戦後,警備団が設けられ乱獲や伐採から守り切ったので
今の美しい状態を保っている。

赤石五葉松は高山に生える繊細な松で,葉が細く,葉の裏の銀色が美しい。
盆栽家の間では,「盆栽は五葉松に始まり,五葉松に終わる」と言われるほど
盆栽の醍醐味を備えた品種である。

ただ,今の日本に「原種」の価値を知る人は少なく,多くの盆栽農家は高齢化が進んでいる。
樹齢何百年という五葉松の盆栽も,海外の方が価値を理解し,どんどんと輸出されていっている。
今回のプロジェクトは「赤石五葉松の価値を高めること」,「若い世代の暮らしに盆栽を取り入れること」
を念頭にブランド作りをした。

ウェブサイト,リーフレット,パッケージ,盆栽の器までをトータルでディレクションしている。
[写真 STUDIO SWITCH 一楽さん]
[盆栽イラストレーション 工藤緒里恵] 

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